ごくありふれた身近な自然も、生物多様性の保全が図られている区域であり、守り継いでいくべき大切な場所です。

大分県、福岡県、佐賀県、長崎県の「自然共生サイト」の認定事業者の方々に、特徴や活動について教えていただきました。

ぜひ身近な「自然共生サイト」に目を向けてみましょう。

 

 

　九州電力社有林（大分県：平治岳周辺）

　　所在地：大分県大分市

   　申請者：九州電力株式会社

　　認定時期：2023年度前期

 

　　

 

＜サイトの特徴＞

「九州の屋根」と呼ばれるくじゅう連山の中に位置し、全域が阿蘇くじゅう国立公園内になります。

山頂部は特別保護地区に指定されており、「レッドデータブックおおいた2022」において準絶滅危惧（NT）に指定されるミヤマキリシマが群生している等、原生的な自然生態系が残っています。

山麓部にはスギ・ヒノキ人工林と広葉樹林が生育しており、多種多様な生物が生息しています。

 

＜保全活動の内容＞

平治岳周辺の自然林は、国立公園の特別保護地区を含むことから保全林に分類し、森林施業を行わず自然植生を維持しています。

山麓部には生産林に分類しているスギ・ヒノキ人工林があり、木材生産を目的とした管理を実施しています。

また、環境省、地元団体、九州電力グループ会社が協力し、近年減少傾向であるミヤマキリシマの保全活動を実施しています。

 

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　田島山業×みんなの森プロジェクト

   　所在地：大分県日田市

   　申請者：田島山業株式会社

　　認定時期：2023年度前期

 

　　　　

 

＜サイトの特徴＞

大分県日田市に位置する丁寧に手入れされてきた森。スギの大木、自生する広葉樹など多様な生態系が広がっている。憩いの場、環境教育の場として活用をしてきており、沢を流れる水は筑後川の源流となる。
大分県の県立自然公園「津江山系県立自然公園」として指定されており、今後はサステナビリティ観光として「魅せる森づくり」を進めていく。

 

＜保全活動の内容＞

一般市民や企業との交流を重視しており、弊社に来社頂く折に合わせて、水源としての紹介や、森林の管理に関する環境学習の場としても活用している。スギ人工林を適切に間伐を実施することで、大木に育てつつ、林間では自生する広葉樹を残し、生物多様性が保たれるよう努めている。

 

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　うーたの里山(大分市まちなかのビオトープ） 

   　所在地：大分県大分市

   　申請者：うーたの会

　　認定時期：2024年度前期

 

　　

＜サイトの特徴＞

「大分市のまちなかのビオトープ」。「うーた」は、この地の地名の「太田」が、なまったもの。

昭和40年代、農業用水の昭和井路の設置及び農機具の近代化に地理的に対応できず、農作放棄地と化し　　た。平成18年、小中校の土曜日の授業休業化に伴い、子どもの学びの場として、大きく荒廃したこの地の開墾・再生を開始した。東の自然林、西の人工林、そしてその谷間の平地の3つのゾーンに分かれる里山は、278種の生物、うち19種の希少種で構成する生物多様豊かな里山であり、確かな保全活動を20年間維持している。

 

＜保全活動の内容＞

毎月第3土曜日を定例活動日とし、下記３つの事業を展開している。

①自然共生の保全・維持:草刈り、竹林整備、ビオトープ（池）、東西を流れる小川の整備を通しての生物の保全・維持。植物は、2000㎡に繁茂するハンゲショウ、動物は、オオイタサンショウウオ、ゲンジホタルが特徴的でこれらの保全を目的とした活動　

②小学生のホタル教室と自然観察会による環境教育：毎年5月実施　

③ハンゲショウ観賞会とホタル会の開催を通した県内コミュニテイ事業の開催：毎年5～6月に実施

 

 

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　尾無の湿地

   　所在地：大分県中津市

   　申請者：NPO法人水辺に遊ぶ会

　　認定時期：2024年度前期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

「尾無の湿地」は、元々休耕田で面積は637㎡。ただの草むらに見えますが、湧水があり、稀少な水生昆虫や両生類の良好な生活の場となっています。ベッコウトンボ（環境省・絶滅危惧種ⅠA）が発生する野依新池と植野池に近く、春先には成虫が多く見られ、両池の中継地となっています。同種や他の稀少種の生息にとって大切な場所であり、未来に残すべきため池を含む里山環境といえます。

 

＜保全活動の内容＞

稀少種の生息環境を維持するために、サイト全体をゾーン分けし、定期的に草刈り作業などを行っています。湿地は乾燥化しないようにモニタリングをしています。また、トンボ類の調査を定期的に行っています。毎年５月はじめごろに中津市からの依頼を受け、ベッコウトンボ観察会を行っています。地元小学校の授業のお手伝いでトンボ観察会などを行っています。

 

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　中津干潟（舞手川河口湿地）

   　所在地：大分県中津市

   　申請者：NPO法人水辺に遊ぶ会

　　認定時期：2024年度後期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

「舞手川河口湿地」の面積は約0.9ha。干潟・砂浜・川・湿地・陸域と複雑で多様な環境があり、そこに多くの生きものたちがくらしています。干潟にはカブトガニ、砂浜には渡り鳥のシギ・チドリがやってきます。湿地にはシオマネキなどのカニの仲間、センベイアワモチなどの貝類など他では見られなくなった稀少種があふれています。夏にはアカテガニが産卵（放仔）にきます。ホンドギツネなども見ることができます。

 

＜保全活動の内容＞

この場所には、砂浜の防災・減災機能を活かしたセットバック護岸があります。２５年にわたって、大分県土木事務所とともに自然環境の保全と防災機能の維持を目的としたモニタリング調査（生物・地形）を行ってきました。また、ここは漂着ゴミが多く、市民ボランティアが年３回、海岸清掃を行っています。アカテガニの産卵観察などの自然観察会も開催しています。

 

 

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　日本製鉄大分地区郷土（ふるさと）の森

   　所在地：大分県大分市

   　申請者：日本製鉄（株）九州製鉄所大分地区／株式会社グリーンエルム／NPO法人おおいた生物多様性保全センター

　　認定時期：2025年前期

 

＜サイトの特徴＞

製鉄所発足（1971年）と同時に、当時横浜国立大学の故宮脇教授のご指導を受け、郷土の潜在植生調査に基づくエコロジー手法(景観よりも風土に適した樹種を選定し植樹）を工場緑化として初めて取り入れた環境保全林（郷土の森）です。植栽から50年が経過し、樹高は20mを超え、人工の森ではあるが優れた鎮守の森に成長し、防音、防臭、防塵等の工場緑化の枠を超え、その効果は生態系サービスとして地域住民への景観の癒し効果にも寄与しています。

 

＜保全活動の内容＞

「宮脇方式」の郷土の森は出来るだけ自然林が形成されやすい条件をつくるため、最低限の下草刈り、施肥などを実施し、極力人の手を加えない保全活動を行ってきました。自然共生サイトの認定にあたり、今後は地域の障がい者の方と連携した動植物のモニタリングや、景観面からも地域の皆さまに喜んでいただけるよう老齢化した桜並木の植え替えを加速化します。

 

 

 

　北九州市響灘ビオトープ

   　所在地：福岡県北九州市

   　申請者：福岡県北九州市

　　認定時期：2023年度前期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

北九州市響灘地区の廃棄物の埋め立て後に出来たデコボコの地形が､湿地や淡水池､草原などの多様な環境を生み､そこにさまざまな生物が生息するようになりました｡響灘ビオトープは、廃棄物処分場跡地にできた日本最大級の広さ41haの草地と湿地のビオトープです｡ 市民が生物多様性やネイチャーポジティブに配慮しながら自然と触れ合える魅力的な環境学習拠点として、ネイチャーポジティブの推進をリードしています。

 

＜保全活動の内容＞

日本では5つの県のみ確認されているベッコウトンボ（昆虫類）、草地で営巣するチュウヒ（鳥類）、日本で一番小さなネズミであるカヤネズミ（哺乳類）などの重要種を含む約800種の生物の保全のため、草地と湿地の順応的管理、様々な機関とコラボした生物調査や市民参加型・体験型の環境学習事業などを行っています。

 

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　西部ガスグループ油山研修所の森

   　所在地：福岡県福岡市

   　申請者：西部ガスホールディングス株式会社

　　認定時期：2025年前期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

西部ガスグループ油山研修所の森は、福岡市南部の油山のふもとに位置し市街地から車で30分程の場所にありながら、豊かな里地里山の自然が広がっています。グループの研修施設として、従業員が自然とふれあい新たな発想や癒しの空間として活用しています。森の様子は、現在約180種の樹木、昆虫、鳥類が確認されています。中央を流れる小川は博多湾へつながっており、きれいな川に生息するトビゲラの幼虫やカワニナが見られます。夏場には、エノキに集まるタマムシが特徴的で、このサイトならではの魅力となっています。

 

＜保全活動の内容＞

定期的に間伐、草刈など適切な森林管理を行っています。「スギ・ヒノキ」「植栽」「湧水小川」「広葉樹二次林」「湿地」の５つにゾーン分け、年２回（春・秋）モニタリングを実施しています。西部ガスグループ従業員の環境教育、自然との共生、変革意識を持った人財育成の場として、また、地域の生物多様性の保全・つながりの場として貢献していくこととしています。今後は、従業員のご家族向けに自然観察会を実施、将来的には地域の学校向け観察会など計画する予定です。

 

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　都築学園グループ　TG Rose Garden

   　所在地：福岡県太宰府市

   　申請者：学校法人都築育英学園

　　認定時期：2025年前期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

福岡県太宰府市にある学校法人都築育英学園内にある本サイト（4万㎡）は、自然の森を生かした造りが特徴で1998年の開園以来環境保全活動に取り組んでいます。森林、草地、水辺の各ゾーンが環境要素が連携し、豊かなビオトープが形成され生態系を支えています。2023年～2024年の動植物調査では、希少種を含み200種以上の動植物が確認されています。庭園は通年一般に無料開放し、地域の方々や学生・子どもたちの憩いの場として親しまれており、毎年5月バラの見頃には観光ツアーのコースとしても利用され来園者は自然体験を楽しんでいます。本サイトでは環境保全意識の向上や生物多様性の保全に努めています。

 

＜保全活動の内容＞

健全な森林を維持するための定期的な伐採、昆虫の生息可能な高さ10ｃｍ以上を残した草刈りなどに加え、在来生態系への被害を防止するため外来種対策や除去やモニタリング調査を行っています。また、在来種の種子を可能な限り収集し、分類・植え付けを行い生態系の保護と増進、九州に自生する植物の導入・植栽計画を推進しています。本学の学生をはじめ、地元の園児、小中高生、地域の皆様が自然と触れ合う機会を提供しており、生物多様性を学ぶ環境授業やレクリエーションの場としても活用されています。

 

 

 

　相知町横枕自然共生区域

   　所在地：佐賀県唐津市

   　申請者：特定非営利活動法人 唐津Farm&Food

　　認定時期：2023年度後期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

相知町横枕は、田んぼ・用水路・ため池・里山林が連なる里地里山です。社叢の照葉樹林や水辺の小さな湿地が残り、在来の動植物が生息。住民とNPOが協働し、OECM（自然共生サイト）として保全と生産を両立するネイチャーポジティブの場です。

 

＜保全活動の内容＞

耕作放棄地の再生を進め、草刈りや畦・農道の補修、井堰・用水路の清掃を継続。外来種対策と指標種のモニタリングを行い、学校・大学と連携したESDも実施。水管理と有機物循環に配慮した栽培で「自然共生サイト米」を育て、地域の生態系サービスを高めています。

 

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　いまり こまなきの里山

   　所在地：佐賀県伊万里市

   　申請者：朝日テクノ株式会社

　　認定時期：2024年度後期

 

　

 

　

 

　

 

　

 

＜サイトの特徴＞

照葉樹の二次林、雑木林、草地、水路、谷戸の遊休水田、遊休水田に造成した湿地ビオトープなどがモザイク的に存在し、九州地方の里山環境が残されている。フデリンドウなどの明るい草地の植物、サツマイナモリなどの薄暗い林内の植物、コナギなどの湿生植物、オニヤンマ、アカネ類、ミヤマカラスアゲハ、ヒラタクワガタなどの昆虫類、シュレーゲルアオガエルをはじめとする両生類など本来いるべき種が健在。複数の希少種も確認されている。

 

＜保全活動の内容＞

適度な草刈りやビオトープの水位管理等をとおして環境の維持に努め、モニタリング調査と外来種対策を進めるとともに、遊休水田のビオトープ化を計画中。令和2年に環境教育等促進法にもとづく「体験の機会の場」に認定され、竹を使ったプランター作り、昆虫採集、野草の調理と試食などの自然・生活体験のイベントを年に4回開催。NPO法人SATOMORIと地元の駒鳴集落を守る会に協力いただいており、環境省第20回エコツーリズム大賞のパートナーシップ賞を受賞。

 

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　たのしい農家お百笑さんの体感型観光梅園

   　所在地：佐賀県武雄市

   　申請者：株式会社お百笑さん

　　認定時期：2024年度後期

 

　　 

 

＜サイトの特徴＞

佐賀県武雄市の中山間地域では後継者不足により農地管理、存続が危ぶまれている中で【観光農園】として梅仕込み教室や地産地消にこだわった飲食店を営んでいる。次世代の中山間地域を担う地元の子供たちや、自然と触れ合う機会の少ない都市部の人々との交流を活発に行い、自然との共生のリアルを伝えている。

 

＜保全活動の内容＞

定期的な草刈りを年間通じて行うとともに、害獣被害の多い水田地域は水田としての活用が難しいため、菜の花やレンゲ草などを咲かせて景観を保つなど工夫をしながら管理している。今後はモニタリング調査の一環として定期的な観察会など中山間地域の自然に興味を持つ人々との交流も取り入れていきたい。

 

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　鷹匠の里山

   　所在地：佐賀県武雄市

   　申請者：株式会社ファルコンウィング

　　認定時期：2024年度後期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

本サイトは、佐賀県武雄市の南東に広がる盆地で、六角川水系の水を引いた水田が広がる。古くから農耕が盛んな地域で、里山型の生物の多様性が高い。水田の他に畑も点在し、神事に使う和馬を飼養し、鷹の訓練場を設置している。和馬や鷹の訓練場に減農薬野菜の畑や自然農法で作物を育てている。

 

＜保全活動の内容＞

専門分野である鷹を調教し、農林水産省の有害鳥獣対策アドバイザーとしての知見を活かして、生物多様性保全に配慮した有害鳥獣対策を行っている。モニタリングや外来種対策を実施している。また、敷地の除草作業では草刈り機を併用して和馬による除草を行っている。市内の子供たちに体験の機会を提供し、生物多様性・食物連鎖の学びを育んでいる。

 

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　嬉野茶生産茶園

   　所在地：佐賀県嬉野市

   　申請者：グリーンレタープロジェクト

　　認定時期：2024年度後期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

私たちは、佐賀県嬉野市の若手茶農家16名からなる「グリーンレタープロジェクト」という団体です。500年以上の歴史を持つ「うれしの茶」を産地としてだけでなく文化として未来に継承したい思いから2019年に組織を発足しました。多様な在来種が育つ畑は、土壌や日照、摘採時期によって香味が異なり、自然と調和しながら土地の個性を活かすことで、うれしの茶の美味しさが生まれています。そのような豊かな環境により私たちの茶畑は2024年に茶畑として全国で初めて、環境省の「自然共生サイト」に認定されました。

 

＜保全活動の内容＞

茶畑では冬咲く花がミツバチ等の蜜源となっているほか、ウンカやアブラムシ・ダニ類等の食害虫がいる一方で、クモ・ハチ・テントウムシ・カマキリ等は、茶の食害虫を捕食する生態系がある。また、茶畑は、カヤネズミの営巣・繁殖場ともなっている。茶畑への肥料や農薬の散布は環境に配慮して行い、自然と調和したお茶づくりに取り組んでいます。

 

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　唐津　串浦ふるさとの海

   　所在地：佐賀県唐津市

   　申請者：佐賀県唐津市／佐賀玄海漁業協同組合鎮西統括支所

　　認定時期：2025年度前期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

唐津市は佐賀玄海漁業協同組合鎮西統括支所（袈裟丸彰蔵氏）と連携し、豊かな海洋環境を守る取り組みが評価され、自然共生サイトの認定を受けました。本サイトでは、藻場の多様な生態系の保全・再生を進め、持続可能な漁業と地域循環共生圏の実現を目指しています。

 

＜保全活動の内容＞

・磯焼けの進行を防ぐための海藻群落（藻場）の再生・保全
・漁業者・地域住民と連携した海の生態系モニタリング​
・東北大学との連携による環境DNAなどを用いた生物相調査や科学的モニタリングの導入を検討
・J-ブルークレジットと生物多様性価値のシナジーの見える化
・自然共生サイトとしての継続的な管理と評価
・環境教育や地域資源の学びの場としての活用

 

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　多良岳200年の森

   　所在地：佐賀県太良町

   　申請者：佐賀県太良町

　　認定時期：2025年度前期

 

　　

 

＜サイトの特徴＞

本サイトは、多良岳の東南斜面に位置し、スギ・ヒノキの人工林が広がっています。平成26年より200年先を見据えた長伐期大径木生産を計画し、「多良岳200年の森」として太良町のシンボル区域に指定しています。林床には草本や低木の広葉樹が生え、豪雨水災害に強い水源涵養として安定した森林形成を目指しつつ、利用間伐による適切な森林管理で公益的機能を併せ持つ森林づくりを行っており、生物多様性が保たれています。

 

＜保全活動の内容＞

間伐においては架線を用いた定性間伐を行っており、里山に優しい森づくりを実施し、200年育てる優良材を選木するため2年毎にサイト内の調査を行っています。また、木材生産の場としての利用だけでなく、企業等の視察研修の受け入れ、町内小学生の社会科学習（植樹体験）の受け入れを行っており教育サービスの場としても活用しています。

 

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　ななうら 干潟とめだかの里

   　所在地：佐賀県鹿島市

   　申請者：佐賀県鹿島市

　　認定時期：2025年度前期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

佐賀県鹿島市南部に位置し、里山水路、川、干潟域といった里川海干潟という繋がりが形成されています。里山水路ではミナミメダカが、水路と海をつなぐ音成川河口ではヤマノカミやウナギが確認されています。有明海に面した干潟域は『道の駅鹿島』に近接し、ガタリンピックの会場や干潟体験、環境教育の場として活用されていると同時にウミマイマイといった希少な干潟生物の生息の場にもなっています。
また、干潟域では有明海の伝統漁法を体験することができます。

 

＜保全活動の内容＞

干潟域では市内7校の小学生を対象に干潟体験をしながら生き物を探してもらい、解説を行う環境教育を実施しています。小学生のみなさんに探してもらった生き物は記録し、大切なモニタリング調査結果として活用しています。
里山水路脇の神社参道では江戸時代から続く祭事「音成の面浮立」が行われています。地区の伝統を守る活動の一環で水路の清掃や泥上げが行われており、それが生き物たちの生息環境を守ることに繋がっています。

 

 

　佐世保市 小森川（三川内地区）

   　所在地：長崎県佐世保市

   　申請者：長崎県佐世保市

　　認定時期：2024年度後期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

佐世保市南部の里地里山を流れる小森川の中流域です。過去に市内で唯一、選炭排水の流入がなかった歴史的背景と豊富な湧水により、良好な水質が維持されています。そのため、希少な種を含む多様な魚類や水生昆虫が生息する豊かな生態系が形成されています。流れが緩やかで水深も浅く、安全に水辺まで降りられるため、市民が気軽に自然とふれあえる場所です。周辺には水田や伝統工芸「三川内焼」の窯元も点在し、人と自然の営みが調和した景観が形成されています。

 

＜保全活動の内容＞

豊かな自然環境を次世代へ継承するため、市民参加型の保全活動に力を入れています。自然観察会では、子どもたちが採集した生物を記録する市民参加型モニタリングを実施。専門家と連携した体験学習で生物多様性の重要性を伝えています。これらの活動記録と、年間を通じた定期調査で得られたデータを合わせ、サイトの長期的な保全計画に役立てるとともに、広く周知することで市民の環境保全への関心を高める啓発活動に繋げています。

 

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　対馬もりびとの森１号（貝口スス山）

   　所在地：長崎県対馬市

   　申請者：対馬もりびと協同組合

　　認定時期：2023年度前期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

対馬市の国定公園第2種特別地域に指定された場所に位置する3.34haの社有林。ツシマヤマネコやツシマテンを頂点とする対馬の典型的な二次的自然環境（里山林）の生態系があり、主な植生は常緑広葉樹と一部、針葉樹がある。その他、多様な樹種が自生。明るい林内を創出すべく、広葉樹・針葉樹は間伐を行い、そのための作業道も設置。また、サイト内には、小規模皆伐を行った区域があり、防鹿柵を設置して、天然更新を行っている。

 

＜保全活動の内容＞

対馬もりびとの森のサイト内には、森林整備した場所の他、防鹿柵を設置した区域があったり、トレッキングにも適した作業道があり、山頂には展望所（ベンチ）も設置している。森づくりや獣害対策研修等の場としても提供している。今後は、研究者と連携した各種調査のモニタリングや、森林のレクリエーションやキャンプの場としての利用価値も見出し、多主体参加型の森づくりの拠点としていきたい。

 

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　里山・里地・里海に学び暮すさっきゃま

   　所在地：長崎県五島市

   　申請者：崎山鐙瀬自然を守る会

　　認定時期：2024年度前期

 

　

 

＜サイトの特徴＞

長崎県五島市の崎山地区に位置し、西海国立公園鬼岳と鐙瀬溶岩海岸に囲まれた川の無い火山大地の集落地帯にあり、里山・里地・里海の生態系が観察できる４つのゾーンから構成されている。林床ではコクラン、海岸ではハマゴウハマ群落やイソアワモチなど磯の生物、畑地にはルツボ、白タンポポ等と昆虫・鳥・哺乳類なども生息しており、生物多様性が見られる「自然の学びの場」として保全に務めています。

 

＜保全活動の内容＞

各サイトゾーンで海岸漂着ゴミの定期的な清掃活動、タチアワユキセンダングサなど外来植物が広範囲に在来種エリアを浸食し始めたことから駆除活動、下草刈り・下枝落しによる観察路確保活動など保全活動を行い、地域子どもたちと一緒にモニタリング調査、環境調査、自然体験学習会を実施しています。

 

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　五島三井楽の里海里山の自然共生サイト

   　所在地：長崎県五島市

   　申請者：ＮＰＯ法人カメリア五島

　　認定時期：2024年度前期

 

　　　

 

＜サイトの特徴＞

土地利用の開発は江戸時代末に大村藩から潜伏（隠れ）キリシタンの人々を五島藩が開拓農民として受け入れたことに始まる。移住者が、自然の水路に沿って畑を開墾(現在円畑と呼ばれる）し、この地域では麦と大豆とサツマイモを季節に応じて耕作を続けてきた。特にサツマイモは、薄切りにして冬期の強い風を利用して乾燥させた干芋『カンコロ』を生産し、現在も生産者は少なくなったが出荷している。

 

＜保全活動の内容＞

円畑の体験を通じで、五島の自然の素晴らしさを知ってもらい、持続可能な自然利用を保ちつつ、文化振興、環境保全、経済活動の活性化に関する事業を行うことにより、五島列島の地域振興と椿関連産業の振興に寄与することを目的として活を続けている。

 

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熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県の「自然共生サイト」についての情報はこちら👇

 

　🐟💧九州・沖縄の「自然共生サイト」②　～熊本・宮崎・鹿児島・沖縄～🌳🦌

 

 

2025年の大丸福岡天神店のクリスマスツリーは、

「ネイチャーポジティブ（自然再興）」を祈って、ツリー設置会場で

九州・沖縄の「自然共生サイト」のPRを行います。

クリスマスツリーの点灯式では、インターンシップ生による「自然共生サイト」の訪問体験の発表、

「自然共生サイト」認定事業者によるトークセッションが行われます。

 

■ツリー設置期間｜2025年11月８日(土)～12月25日(木)

■場所｜大丸福岡天神店　エルガーラ・パサージュ広場

■点灯式日時｜2025年11月８日(土)午後４時～７時30分頃まで

 

「クリスマスツリー2025点灯式」についての情報はこちら👇

 

　✨🎄 大丸のクリスマスツリー2025 点灯式イベント 🎄✨

 

 

ぜひこの機会にお越しくださいませ✨