「30by30(サーティ・バイ・サーティ)目標」とは、2030年までに、 陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標です。
30by30の達成を目指すため、日本では、環境省が令和5年度から「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」に認定してきました。

▲「自然共生サイト」認定ロゴマーク

(環境省 九州地方環境事務所 自然環境調整専門官 小林悟志 氏よりメッセージ)
例えば、日本の稲作は、水田という特別な環境によって豊かな生物多様性を育んでいます。
カエル、トンボ、メダカなどの多くの生き物にとって生息・繁殖の場となり、それらが食物連鎖を通じてつながり合っている。
この稲作をやめてしまうと、カエルやトンボたちの生息域がますます減ってしまいます。
人間が稲作を行うことは、豊かな生態系を維持することに繋がっているのです。
しかし、当の農家さんたちにとっては当たり前の活動で、特別なことではないと感じています。
この「当たり前」が「生物多様性」を支えていることをもっと知ってもらい、その活動を続けていってもらいたい。
九州は特に一次産業の盛んな地域。これからもっと「自然共生サイト」の認定を促していきたいと思っています。
九州探検隊は、これまで熊本県山鹿市の和栗生産者グループと共に「やまが和栗ブランド化プロジェクト」に取り組んできました。
和栗生産者のみなさまが長年取り組んできた栗の栽培活動も生態系の豊かさを守ることに繋がっていると知り、環境省に認定を申請。
令和7年3月に「やまが和栗の里」が「自然共生サイト」として認定されました。

▲「やまが和栗の里」の生産者のみなさん
九州・沖縄には、2025年10月1日現在、48件の自然共生サイトがあります。
ここでは、その一部のみなさまのそれぞれの取り組みや保全区域についてご紹介します。
ごくありふれた身近な自然も、生物多様性の保全が図られている区域であり、
守り継いでいくべき大切な場所であることを一緒に伝えていきましょう。
① 九州・沖縄の「自然共生サイト」~大分・福岡・佐賀・長崎~
② 九州・沖縄の「自然共生サイト」~熊本・宮崎・鹿児島・沖縄~