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12/3(水)~9(火)『~光の芸術~ ガレ&ドーム ガラスの美展』

12月3日(水)~9日(火)
※最終日は午後4時閉場
東館エルガーラ5階
~光の芸術~
ガレ&ドーム ガラスの美展

ガレ
『紫陽花文ランプ』
(20.0×21.0×21.0㎝)
1918~1931年頃
19世紀末から20世紀初頭にかけヨーロッパで広まったアール・ヌーヴォー。
この時代を代表するガラス工芸家として活躍したガレとドーム。
この二大巨匠は1900年のパリ万国博覧会でグランプリを分け合い、芸術家としての頂点に立ちました。
今展では、初期の作品からミュージアムピースまで約50点を展覧いたします。
植物や昆虫など自然をテーマにした繊細で美しいデザインと、革新的な技術が融合した作品の数々をご覧ください。
展示予定作品の一部をご紹介

ガレ
『運命の女神文花器』
(16.2×22.0×22.0㎝)
1884年頃

ガレ
『芥子文ウランガラス花器』
(34.2×11.8×11.8cm)
1895年頃

ドーム
『芥子文脚付花器』
(11.7×24.0×23.5㎝)
1910年頃

ドーム
『スグリ文花器』
(31.2×10.3×10.3㎝)
1900年頃
エミール・ガレとドーム兄弟について・・・
エミール・ガレ
エミール・ガレ(1846-1904)は、1846年フランスのナンシーでガラス器・陶磁器卸売業者の長男として生まれました。
1877年に父の会社を引き継ぎ、本格的な芸術作品の制作に乗り出します。
ガレは、ガラスという素材の芸術性を高めるため、「月光色ガラス」の発表を始め、ガラス象嵌「マルケットリー」や新しい発色法の「サリシュール」、さらに真似のできないガラス彫刻「グラヴュール」など、数多くの革新的な技法を開発・駆使しました。
1889年と1900年のパリ万国博覧会でグランプリを受賞し、世界的な名声を得ます。
特に1900年の万博においては、工房の協力職人も数々の賞を受賞し、芸術作品としてのガラス工芸の地位を確立しました。
彼はまた、芸術性の高い(手作りによる)ガラス作品の量産を可能にする「産業芸術」という新たな分野を開拓しました。
ガレは、文学、哲学、鉱物学、生物学などに造詣が深く、特に植物への深い興味は、ナンシー市の園芸協会副会長を務めたことからも分かります。
彼の作品は、植物、昆虫、深海、文学などをテーマとし、広い知見とジャポニスムなどの影響に基づいています。
多くの名作を残しましたが、1904年に白血病のため亡くなりました。
彼の没後も、会社は親族と高度な技術を持つ職人たちにより1931年まで作品制作を続けました。
ガレの作品は、オルセー美術館(フランス)、メトロポリタン美術館(アメリカ)、エルミタージュ美術館(ロシア)、北澤美術館(日本)など、世界各国の主要美術館に所蔵されています。
ドーム兄弟
兄オーギュスト(1853-1909)と弟アントナン(1864-1930)は、ナンシーで父ジャン・ドームが経営するガラス工場に入り、当初は日用的なガラス製品を製造していました。
しかし、1889年のパリ万博におけるエミール・ガレの成功に触発され、彼らは格調高い美術ガラス作品の制作に転じます。
アール・ヌーヴォー様式の優美な作品を多数生み出し、ガレと共にガラス芸術史における二大巨匠の地位を確立しました。
兄弟は芸術表現を追求するため、「アンテルカレール」(内部装飾)や「ヴィトリフィカシオン」(色ガラスの粉末をまぶしつける技法)などの独自の装飾技法を開発し、ガラス工芸の可能性を飛躍的に高めました。
1893年のシカゴ万博への出品、1900年のパリ万博でのグランプリ受賞など、国際的な評価を獲得。
パート・ド・ベール作家のアマルリック・ワルターをはじめ、多くの芸術家を迎え入れ、質の高い美術ガラスを制作しました。
また、家具作家ルイ・マジョレルや金工作家エドガー・ブラントらとの共同制作も積極的に行い、ガラス以外の素材との融合にも取り組みました。
彼らの作品は、フランスのオルセー美術館やナンシー市立美術館、日本の北澤美術館、ポーラ美術館などに収蔵されています。
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